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“育てる経営”の戦略―ポスト成果主義への道 (講談社選書メチエ)無能な上司に成果主義の評価をさせるのは、子供にピストルを渡すのと同じ
 本書の意図は明快である。「旧来の日本型年功制を早く復活させよ」である。成果主義は仕事の面白さを奪ってしまうからである。人は内的要因で満足を得る。



 著者の主張する日本型年功制とは、

・成果には次の楽しい仕事で報いる

・賃金は生活を保障するためのカーブを描く

である。もちろん賃金の差はあるが、毎年の給料が手引きに従った数値評価で極端に上下するのでは、社員は困難な仕事に挑戦しなくなる。



 会社が生き残る条件は、10年後のリーダーを育成するということに尽きる。人材を育成するためには長期的に困難な仕事に取り組んで、社員が成長する必要があり、その手段として日本型年功制は有効だと説く。



 成果主義は評価を前提とする。「部長が君を評価していたよ」と「評価の結果、君はDランクだ」の文章での評価の意味は違う。前者の評価は誉めているのに対し、後者は精神的な暴力だ。



 後半はアカデミックな話になるが、青色LED訴訟に対して著者が裁判所に提出した意見書の要約があり、興味深い。




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